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豊田正史のSLとは関係ございません


2005-06-30

_ [] スモールワールド・ネットワーク読了

スモールワールドおよびスケールフリーネットワークとそのダイナミクスに関する話題を全般的に解説してくれているが、最後のほうは話題が発散気味。この本では、ウェブは単なる例題のひとつで詳しくは出てこないが、この系統の話はウェブに関しても色々と研究がある。ページとハイパーリンクからなるウェブグラフの次数分布がべき乗分布になっていることや、ウェブ全体のグラフ構造が、巨大な強連結成分とそこへ出入りする部分からなる蝶ネクタイ構造をしていることや、ウェブグラフの進化をモデル化したコピーモデルや、最近ではブログ上での話題伝播のモデル化などなど。この手の話を聞くたびに、結果は興味深いのだがはたしてその結果を何かに利用できるのだろうか、と思う。この本には、この疑問について何らかの答えを期待していたのだが、残念ながらというかやっぱりというか、そうそう明確なものはないらしい。大部分が現象のモデル化に費やされていて、そこから先の話はほとんどない。まあサイエンスだからそれでも良いのかもしれないけど。あと、妙に主張のある「訳者あとがき」が特徴的。

_ [呟き] いろいろと決着

一月ほど振り回された某プロジェクトの中間報告会が無事かどうか分からないがようやく終了。あやうく忘れるところだった住民税も無事納税。さらにこの度出所される秘書さんのお別れ会も恙無く終了。さてさて、色々ペンドしていたことを再起動しないとなあ。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]
_ くめ (2005-06-30 07:37)

> 結果は興味深いのだがはたしてその結果を何かに利用できるのだろうか、と思う。この本には、この疑問について何らかの答えを期待していたのだが、残念ながらというかやっぱりというか、そうそう明確なものはないらしい。<br><br>まず問いかけそのものからして誰かが苦労して作成しなければならない、そういう類の話のような気がします。<br><br>> まあサイエンスだからそれでも良いのかもしれないけど。<br><br>実はですねえ、本当にサイエンスってそういうものなんだろうか?と最近思うんですよね。『数学セミナー』でフィールズ賞受章者のグロモフ先生が「数学は抽象的になり過ぎてしまった」と批判されている記事を読んでからずっとそう思っています。

_ とよだ (2005-06-30 16:30)

これ、自分にブーメランで返って来るのを覚悟で自戒の意味も込めて書きました。これがサイエンスでは良くないよなあと言うのはまったく同意で御座います。

_ いあいあはすたー! (2005-06-30 16:47)

とよだがそれを認識していることを本官は疑いませぬ。とよだは自力でその認識を得たのだと思います。おいらが科学とは何か(正確には「理論とは何か」かもしれない)、と思い始めたきっかけはグロモフ先生の言葉以外にもいくつかあります。まず最初はお師匠様のある言葉。次はmixiの日記にも書いたけどMary ShawとDavid Garlanの本の第一章。もう一つはmixiの数学関係のコミュニティでの論争。最後は数学史の本の内容です。又今度会ったときにでもこのネタで話しましょう。

_ (2005-07-01 01:00)

先に言いますが一般論なので念のため。「サイエンス」とは何かというような高尚な話にはついていきにくいのですが、仮に「その結果を何らかに利用できる」か、という基準を重要視するというのなら、その基準に当てはまる研究というのはどれほどあるのでしょうか?という質問をしたくなります:-) もちろん人の世というのはどこでも似たようなもので、例えば「じゃあ、実業というのは…」という種類の基準を例えば作ったりすると、私のいる世界/業界は、そりゃあ、もう大変なことになります!とだけは、自戒を込めて断言しておきます:-)<br><br>それはさておき、ここ数年、個人的にはネットワーク理論の工学的応用というのを趣味でいろいろ考えているのですが、まあ、なかなかに難しいですね。

_ とよだ (2005-07-01 02:40)

それは確かにそのとおりなのですが、問わずにいて良いという免罪符にはやはりならないのでしょうねえ。<br>ところで、どうも最近興味の範囲が似ているなあと思っていたのですが、そういうことでしたか。なにか一緒にできるようなネタがあると面白そうですね。


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